襖の伝統技術を、形を変えて現代に伝える
私たち、ふすまクラフトは、日本家屋の建具である襖(ふすま)用生地の和紙や織物地を用いたクラフトワークキットを製造、販売しています。
襖は、日本独特の間仕切り建具です。しかし、近年では時代の移り変わりとともに次第に使われなくなり、家の中で襖のある場所は押入れだけ、ということも珍しくありません。
襖の特長として、部屋の空間を仕切るという建具としての役割の他に、保温機能や調湿機能、室内の有害物質を吸収する機能があります。これにより、寒さを防いだり、湿気が多い時期には吸湿したり、逆に乾燥時には水分を放出して保湿します。四季や梅雨がある日本では、襖は日々の生活を快適に暮らすために、なくてはならないものでした。
また、襖は室内の大切な装飾の役割も果たしてきました。山水画、人物画、花鳥画、走獣画など、様々な題材で描かれる襖絵は、日本を代表する伝統工芸であり、芸術品としての側面を持っていました。書院造りが完成した桃山時代には、寺や城で高級な和紙を使った、数々の素晴らしい襖絵が誕生しました。
襖絵以外にも、上張りの紙や織物、紙を加飾する木版刷りや金銀砂子細工などの伝統工芸技法が存在します。これらの技法は現代にも脈々と受け継がれており、砂子振り・切箔・野毛・渋型摺り・泥引き・磨き出しなど、多彩なバリエーションで装飾された襖は、観る者を楽しませ、心を和ませます。今日に至るまで、襖には日本の伝統技術が集大成されてきたともいえます。
私たちふすまクラフトは、今一度その意匠や機能を見直し、襖(ふすま)の魅力をクラフトワークキットを通じて世に広めたいと考えています。
襖(ふすま)表装の種類
織物襖紙

天然素材や合成繊維の、織物に裏打ち紙を合わせたもの。
多彩な装飾と、独特な光沢・質感、そして耐久性は、丹精こめた織の技術です。